
冷たい風の中にも、ふとした瞬間に日差しの暖かさを感じる季節となりました。カレンダーの上では春とはいえ、まだ寒暖差の激しい2月3月。二十四節気では、雪が雨に変わり、氷が解け始める「雨水(うすい)」から、生き物たちが動き出す「啓蟄(けいちつ)」へと向かう、まさに生命の躍動が始まる前夜のような時期です。
今回は、本格的な春の訪れを前に、私たちが準備しておきたい「心・食・暮らし」の知恵をご紹介します。
目次
- 【心】「光の春」を愛で、雛をしつらえる
・「光の春」を感じる窓辺の演出
・桃の枝を飾って邪気を祓う
・思い出と飾る「小さな雛」 - 【食】「春の皿には苦味を盛れ」で体を目覚めさせる
・春の苦味と「デトックス」
・「初物」がくれる力
・グランドマストで楽しむ季節の味覚 - 【暮らし】三寒四温を健やかに、世界と響き合う「春の予感」
・五感に響く「日溜まり散歩」
・世界共通の「春を待つ芸術」
・アクティブな春に向けた「身の回りの準備」 - おわりに
【心】「光の春」を愛で、雛をしつらえる
2月も後半に入ると、空の色が心なしか明るく感じられるようになります。影の形がくっきりと濃くなり、夕暮れ時が一段と伸びたことに気づくのもこの時期です。気温は低くても光が春を告げている。そんな自然のサインを敏感に受け取ることは、私たちの心を冬の静寂から解き放ち、晴れやかな気持ちへと導いてくれます。3月3日の「桃の節句」に向けた、大人ならではの「春の居場所づくり」から始めてみませんか
●「光の春」を感じる窓辺の演出
ロシア語の「ベスナ・スベータ」を語源とする(諸説あり)この言葉通り、2月後半の光は一年で最もドラマチックです。レースのカーテン越しに届く日差しを遮らず、窓辺を整理して「光の通り道」を作るだけで、部屋全体の気が明るく変わります。
●桃の枝を飾って邪気を祓う
古来より、桃の木には強い生命力があり厄を祓う力があると信じられてきました。立派な飾りでなくてもお気に入りの花瓶に桃の一枝と菜の花を添えるだけで、室内には春の息吹が満ち、心に安らぎを与えてくれます。
●思い出と飾る「小さな雛」
かつての大きな段飾りを出すのは大変でも、立ち雛やガラス細工、あるいは可愛らしい吊るし雛などを目に見える場所に。雛人形は「持ち主の身代わりとなって厄を引き受ける」という習わしがあります。自分自身の平穏を願う特別なコーナーを作ってみませんか。
グランドマストでは皆様を春の気分でお迎えできるよう、フロントまわりに季節のしつらえを整えています。共用スペースを彩る飾り付けは、住まい全体の空気をパッと明るく変えてくれるものです。お部屋を飾るヒントを探しに、ぜひフロントへも足を運んでみてください。
【食】「春の皿には苦味を盛れ」で体を目覚めさせる
日本の食の知恵に「春の皿には苦味を盛れ」という言葉があります。野生の動物たちが冬眠から覚めた際、まず口にするのが土から顔を出したばかりの芽だと言われるように、人間にとってもこの時期の食材は重要な役割を担います。冬の間、寒さに耐えるために代謝を落とし、脂肪や老廃物を溜め込みがちだった体を、植物の力で優しく目覚めさせるという、日本古来の優れた健康管理の知恵なのです。
●春の苦味と「デトックス」
ふきのとうやタラの芽に含まれる特有の苦味成分(ポリフェノール類やアルカロイドなど)は、冬に滞った新陳代謝を促し、胃腸の働きを活発にする刺激となります。まさに「眠っていた体」を活動モードに切り替えるスイッチの役割を果たします
●「初物」がくれる力
「初物を食べると寿命が七十五日延びる」という俗信があるほど、旬の走りには強い力が宿るとされています。雪解けを待たずに芽吹く山菜の驚異的な生命力をいただくことは、心身の活力(エナジー)を養うことにつながります。
●グランドマストで楽しむ季節の味覚
自宅で山菜の下処理をするのは手間がかかるものですが、グランドマストの食堂では、プロの料理人が手がける季節の献立が並びます。菜の花の和え物や春の天ぷらなど、ほんの少しの「苦味」を楽しみながら、体の中から春への準備を整えましょう
【暮らし】三寒四温を健やかに、世界と響き合う「春の予感」
この時期の気候を象徴するのが、冬の空気と春の空気が勢力争いをするように入れ替わる「三寒四温」です。一進一退を繰り返す気温の変化は、体に負担をかける一方で、私たちに「春が近づいている」という確信を刻一刻と与えてくれます。この不規則なリズムをむしろ愉しみの一つとして捉え、無理のない範囲で外の空気に触れることは、自律神経の調整を助け、心身を健やかな「活動モード」へと誘ってくれます
●五感に響く「日溜まり散歩」
3月初旬の「啓蟄(けいちつ)」を前に、土の中では虫たちが動き出し、梅の蕾がほころび始めています。梅の香りには脳をリラックスさせる効果があると言われており、日差しの温かい時間帯に少し歩くだけで、視覚と嗅覚から春の実感を得ることができます。遠出をせず、ご近所を散歩するだけでも小さな春に出会えるでしょう。
冬の寒さに耐えてきた草花が少しずつ芽吹きだし、日差しを浴びて蕾を膨らませる様子は、見るたびに力強い生命力を感じさせてくれます。木々の枝先や足元に目を向けながら、この場所ならではの「春の足音」をぜひ探してみてください。
●世界共通の「春を待つ芸術」
【音楽】
定番のヴィヴァルディ『四季』より「春」だけでなく、メンデルスゾーンの『春の歌』もおすすめです。流れるようなピアノの旋律は、雪解け水が小川を流れる様子を彷彿とさせ、心を軽やかにしてくれます。また、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ『春の声』は、春の到来を華やかに祝福する力強さに満ちています。
【絵画】
印象派の巨匠クロード・モネが描いた『ジヴェルニーの春』(※写真はモネの庭園にある睡蓮の池)や、ボッティチェリの傑作『プリマヴェーラ(春)』。これらの作品に共通する柔らかな色彩は、見るだけで脳内に幸福感をもたらすと言われています。特にボッティチェリの絵に描かれた数百種類の花々は、当時の人々がどれほど春の生命力を貴んでいたかを伝えてくれます。
【言葉】
北欧スウェーデンには「春の光(Vårlyset)」という言葉に加え、「スノードロップ(雪のしずく※写真)」という花を春の最初の使いとして愛でる文化があります。また、英語圏では「Spring in one‘s step(足取りに春がある)」という表現があり、春の訪れが人の歩みを軽く、元気にさせることを表しています。
●アクティブな春に向けた「身の回りの準備」
暖かくなったらどこへ出かけようか、と計画を立てるのもこの時期の楽しみです。春物のストールをクローゼットの手前に準備したり、明るい色の小物を新調したり。「準備する過程」そのものが、脳の報酬系を活性化させ、心にポジティブな変化をもたらしてくれます。
おわりに
季節が移ろう時期は、楽しみな反面、少しの不安を感じることもあるかもしれません。グランドマストでの暮らしには、こうした小さな季節の変化を共に喜び分かち合える仲間や専門のスタッフが見守る安心できる環境があります。
「今日は暖かいですね」「あそこに花が咲いていましたよ」そんな何気ない会話とともに、心穏やかな春をお迎えください。
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