積水ハウスグループの高齢者向け賃貸住宅 グランドマスト

シニアライフ「健幸」みちしるべ Vol.3

家族をつなぐ新しいスタイル、「近居」のすすめ


むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました……

このおじいさんとおばあさん、どうやら家族同居ではなかった様子。昔だからと言って、必ずしもみんなで暮らしていたわけではなさそうです。しかも、高齢の二人が元気そうに毎日ルーチンの家仕事をしていました。まさにアクティブシニアのさきがけだと言えるでしょう。

子どもはいなかったのでしょうか、それとも子どもたちはどこか別の所で暮らしていたのでしょうか?それなら自立型の別居です。ご存知のあの物語では、ある日から、この二人は孫のような子と住みます。同居の始まりです。

この昔話のエピソードから、暮らし方と家族どうしのつながり方のヒントが見えてきます。

今という時代の──同居でもなく、遠く離れた別居でもない──「近居」という関係について考えてみましょう。

目次

「同居か別居か?」から「別居なら近居!」へ

「同居、さもなければ別居」という窮屈な二択の時代が長く続いていました。同居を選ばないなら別居、その別居には冷ややかな響きが感じられました。白か黒かの決断を迫られるような、両極の選択だったのです。

形は別居でも同居に近く、同居ではないけれど別居でもない――そんな理想のスタイルが「近居」です。親と子のそれぞれの世代・世帯が絶妙の距離感を保ちながら暮らすスタイルとして、いま社会で注目され、国や地方自治体もこの住まい方を後押しし、一部補助や助成を準備しています。

同居ではなく、また遠距離別居でもない近居。当然ながら、所要1時間程度になると、親世帯から子世帯(または子世帯から親世帯)へ出向く回数は少なくなります。一方、所要15分以内になると、親世帯が子世帯に、また子世帯が親世帯に、週1回出向く頻度が4~5倍になります。このように親世帯と子世帯が互いに月2、3回以上行き来し合う「アクティブ近居」が最も満足度アップにつながることが、調査※1を通して明らかになりました。ちなみに、「近居を始めたきっかけ」としては下記の理由が上がっています。

※1近居の親世帯のライフスタイル調査(2019年/大阪市立大学・積水ハウス n=1229)※2


近居を始めたきっかけの上位には、安心、サポート、協力、楽しさが並びますね。しかし、こういう理由なら、近居ではなく、いっそのこと同居でもいいのではないかと思えます。しかし、同居にはデメリットも伴います。上記と同じ調査で、「同居ではなく近居を選んだ理由」を尋ねたところ、次のような回答が得られました。


同居だとプライバシーや暮らしの独立性、それぞれの生活リズムや生活習慣を保ちにくいと感じる人たちが多いことがわかります。独立性が保たれれば、次のような具体的なメリットが享受できるようになります。

  • それぞれに合った食事や嗜好が選べる
  • それぞれの趣味に打ち込める
  • それぞれのセンスでインテリアが演出できる
  • いざと言う時、それぞれが住み替えしやすい

近居志向の背景に親世帯と子世帯双方のメリット

内閣府が調査した「平成25年度家族と地域における子育てに関する意識調査」でも、同居よりも近居を求める傾向が見られます。一例として、3世代近居を理想とする人の割合が3割を超えています。

また、国土交通省「平成25年住生活総合調査結果」の「高齢期における子との住まい方」に関する調査では、同居が5年間で17.1%から15.5%へと1.6ポイント減少。これに対して、同じ敷地内で別の住居で暮らす、徒歩5分程度または片道15分未満の場所に住むなどの、いわゆるアクティブ近居は、5年間で18.9%から24.6%へと5.7ポイント増えました。

こうした背景には同居にともなうデメリットや不協和音があるとされています。わたしたちが調査した「同居でなく近居を選んだ理由」でも国の調査と同じく、プライバシーが揺らぐ、生活リズムや習慣が合わない、意見の衝突がある、趣味や価値観が一致しない、などが同居をためらう理由になっています。

同居のメリットを特徴としながら、同居ならではのデメリットを排除して理想の家族関係とほどよい距離感を叶えてくれる期待の選択肢――それが、近居という新しいスタイルと言えるでしょう。

グランドマストに入居している両親の近くに子ども世帯が引っ越してくる。あるいは、子ども世帯が暮らしているマンションの近くのグランドマストに入居する。どちらが住んでいる街が近居の場になるにせよ、お互いのプライバシーを尊重しながら、お互いがほどよい頻度で行き来しサポートし合えるのが近居のメリットです。



近居に対する満足度には、行き来の頻度別に見た場合と時間距離別に見た場合とがあります。行き来に関しては、月に2、3回の満足度が高いようです。

時間距離とは、徒歩や自動車や公共交通機関に関わらず、移動する時間を考慮するものです。時間距離別では、比較的はっきりと満足度の違いがわかります(下図参照)。近居の目安とされているのは1時間以内で移動できる距離ですが、やはり15分程度行けると満足度が高くなります。仮に徒歩で15分なら、小学校高学年のお孫さんが一人で祖父母宅へ行けるので、近居交流の幅も広がると言えるでしょう。


近居には、必要や状況に応じて相互サポートできるという協調性のメリットが生まれます。気になればすぐに様子が見れる、家事のサポートができる、料理を持ち寄って一緒に食事を楽しむ、などです。親世帯が元気でアクティブなら、子ども世帯が享受できるサポートは多岐にわたります。下図の調査結果を参考にしてください。


※2 本記事のここまでの内容は、平成29年度からの3年間に、文部科学省「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」連携型共同研究助成を受けて実施した、大阪市立大学大学院生活科学研究科の小伊藤亜希子教授の研究室と積水ハウス住生活研究所との共同研究(Women’s Unit by Sekisuihouse & OsakaCityUniversity=WUSO)によって得られたデータをもとにして作成したものである。

親しき中にも礼儀あり――上手に近居するために

これまで見たように、近居暮らしには、独立した生活ができるメリットと協調的に共助し合えるメリットがあります。何よりも、ちょうどよい距離感で家族どうしがつながるという実感が生まれます。

しかし、せっかく近くに住み始めたのに、近居でいることに慣れてしまうと「親」と「子」の住まいどうしの行き来が少なくなり、近居の恩恵にあずかる機会が減ってしまうことも。

そこで、グランドマストからのご提案。数多くの近居をお手伝いしてきた経験から導いた「お互いに心掛けたい近居の5つのポイント」です。

  1. 相互の「生活時間割」をよく理解し、敬意を払いましょう。
  2. 近居だからこそ、気軽に、定期的に行き来をしましょう。
  3. 「親孝行したい」という気持ちと「子に迷惑をかけたくない」という気持ちが衝突しないよう、互いの気持ちを尊重しましょう。
  4. 顔を合わせる機会には、なるべく食事を一緒にしましょう。
  5. お世話になったら「ありがとう」、迷惑をかけたら「ごめんね」と、気持ちを素直に伝えましょう。

さらに、近居の良さを最大限に発揮していただくため、グランドマストは親世帯と子世帯のつながりをサポートし見守ります。一緒に食事をとることはコミュニケーションのたいせつな機会。事前予約に応じて、訪問されるご家族にもご入居様と同じ食事をご提供いたします。

子にとって気になるのは親の暮らしぶりと提供されるサービス。近居だからこそバリアフリーで高断熱の住まいで暮らす親の様子が垣間見えます。もちろん、アクティブな親に対して心配は取り越し苦労かも。様子をうかがうつもりで訪問したところを、素敵なお店が並ぶ街への散策に誘われて、親の行きつけで買い物を楽しんだり、お勧めのレストランでディナーを共にする…そんな洗練された一日を過ごすこともあるでしょう。

親と子それぞれに違う幸せのかたちがあり、かたちに応じた思いや要望があります。お互いがそのことを尊重してストレスフリーな暮らしが実現します。



徒歩圏内にも買い物施設が充実し、市街地への交通アクセスも良好なグランドマストなら、親子揃って近所のスーパーへ食材の買い出しに行ったり、街歩きを楽しんだりと、都会的でアクティブな近居スタイルが実現します。

モデルケースに見る多世代家族の理想の暮らし方

〈近居ケースⅠ〉
近居でよみがえった笑顔の暮らし、あの頃の幸せ。

【ご入居者様プロフィール】

息子様ご夫妻と同居されていた大正生まれの紳士T氏。今の暮らしに至るまで家族関係の紆余曲折とストレスが……。

今の住まい:グランドマスト(関東エリア)

【ストーリー】

要介護1の認定を受けているT氏。要介護1なので、ちょっとした支援さえあれば自立した生活ができますが、長年の介護疲れで息子様ご夫妻のストレスは蓄積する一方でした。実際、考えが対立したりちょっとしたことで口論になったりすることが多くなっていったようです。

大正生まれということは90歳も半ば。蓄えがあってもT氏が普通の賃貸住宅に入居はできません。また、介護施設となると、介護がないと生活できない人たちと同居することになります。まだまだ元気を自負しプライドもあるT氏、「わしはそんな施設には入らんぞ!」と訴えます。

現在のサービス付き高齢者向け住宅のおよそ9割が介護型。その中にあって、グランドマストの住宅は自立型。息子様ご夫妻が住む近くのグランドマストに入居されたT氏。尊厳をなくすことなく、また息子様ご夫妻もストレスから解放され、昔の仲睦まじい関係がよみがえりました。しかも、ちょうどよい距離感を保ちながら。

90歳過ぎても自立してお暮しになるT氏。付かず離れずに目配りされる息子様ご夫妻。まさに〈健幸みちしるべ〉の目指す生き字引的な高齢者の家族関係がここにあります。


グランドマストでは、どの住戸もゆったりとくつろげる広さを確保。ご家族が集ったときにも、心地いい距離感で団らんの時間をお過ごしいただけるはずです。設備の充実もうれしいポイントで、たとえばキッチンはお料理好きの方も納得の仕様。お部屋で一緒に食事をとる際にも重宝します。

〈近居ケースⅡ〉
「ここしかない」とひらめき、近居生活がスタート。

【ご入居者様プロフィール】

夫婦二人暮らしが不安になったH様ご夫妻。長年過ごした関西での生活に別れを告げて、娘様ご夫妻が暮らす関東への引っ越しを決断。

今の住まい:グランドマスト(関東エリア)

【ストーリー】

高齢の両親が遠方で暮らしていると、当然日々健康のことを案じるもの。年に一度か二度会う程度の関係だった両親が、幸いなことに娘様ご夫婦の住む関東に引っ越してこられました。同居ではなくて別居、しかしなるべく様子が窺え、お互いのリズムを尊重できる頻度で会える近居――これが暗黙の了解だったようです。

娘様ご夫妻が率先して住まい探し。自宅近くにあって以前から気になっていたグランドマストを見学。「立地、建物、サービスの3拍子が揃っている。ここしかない!」と直感。両親の身になって料理を試食して、「ここしかない」が「確信」に代わります。品数が多く栄養バランスが取れ、そしておいしいと気に入っていただきました。

娘様ご夫妻イチオシ。H様ご夫妻にとって入居を躊躇する理由はありませんでした。環境が変わって引っ越し直後のH様は体調がすぐれなかったようですが、入居後は、周囲が驚くほど体調が回復して元気になられました。「毎日の献立に工夫がある。おいしく調理されている食事の力」とおっしゃいます。

入居者の方々との語らいと交流。外出制限もなく自由な日々を送るH様ご夫妻。グランドマストの見守りサービス、そして何よりも近居ならではの安心感に包まれています。


食事サービス(有料)の献立は、季節のものを入れながら年間ベースで計画。それをもとにして、管理栄養士がカロリー計算、栄養、食材などを検討して2週間ごとに献立支持表を更新しています。予約制だからいつも出来立て、また見た目も美しく、「食」の楽しみのある暮らしをご満喫いただけます。

コラム一覧にもどる