積水ハウスグループの高齢者向け賃貸住宅 グランドマスト

定年時代令和3年4月上旬号

自由な暮らし、生活支援サービスの安心

「人生100年時代」を迎え、シニアの住まいの選択肢は一昔前に比べて多くなってきた。積水ハウスグループの積和グランドマスト㈱は、首都圏で約30の自立型サービス付き高齢者向け住宅「グランドマスト」シリーズを展開。各住宅では、広めの間取りやキッチン・浴室完備など、暮らしやすさにこだわっている。今回の特集では、同シリーズの中から「グランドマスト江古田の杜」を取り上げ、3人の入居者の〝生の声〟とともに紹介する。

★独自の「アテンダー」常駐

 サービス付き高齢者向け住宅のメリットは、賃貸住宅ならではの自由な暮らしを楽しみながらも、生活支援サービスにより〝安心〟が得られること。国が定めている生活支援サービスは、①生活相談②状況把握・安否確認③緊急対応の3つ。これらについて同社では、一定の資格を持った、独自の「リビングアテンダー」を常駐(日中)させ、近隣の医療機関や利便施設の紹介などを行う。各居室には緊急通報ボタン、人感センサー・水道流量センサーなども整備され、入居者の自由を尊重しながらも無理のない状況把握に努めている。また、おいしい食事も自慢。各住宅の専用厨房で調理される〝自前の食事〟は入居者に好評だ。

★都心に近く住環境も抜群

 「グランドマスト江古田の杜」は、江古田の森公園に隣接する複合開発の街づくりの一環として、2018年に誕生した高齢者向け賃貸住宅だ。都営大江戸線「新江古田」駅、西武池袋線「江古田」駅の2路線が利用でき都心へのアクセスも良好。周辺には病院や商店街などがあり、暮らしやすい環境と豊かな自然に恵まれたロケーションだ。敷地内には、子育て世帯向けマンションや学生向け住宅などがあり、多世代交流型の街づくりを目指しているという。また、防災備蓄倉庫が設置されているほか、太陽光発電など複数の非常用電源を確保しており、災害対策にも努めている。では、実際の入居者はどんな思いで入居したのだろうか―。

「グランドマスト江古田の杜」入居者に聞く

心配事なく気軽に外出

矢上千恵子さん
矢上千恵子さん

矢上千恵子さん(82)は、夫が他界した後、一軒家の自宅を手放し「江古田の杜」に入居した。「10数年は一人で暮らしていたのですが、掃除や庭の手入れなどが体力的にきつくなってきて…。自分が病気になったこともきっかけです」と矢上さん。

入居先選びには、①部屋にキッチンが付いていること②自然環境が整っていることの2つを条件にしたという。「私は料理が好きなので、食事は自分で作りたいというのが一番の望みでした。それと緑がいっぱいの良い散歩コースがあると幸せだなって…。体力や気力、判断力のあるうちに決めておきたかったんです」

実際に入居してみると、地震や水害、火事など自宅で生活していたころの心配事から解放され「ハード面で守られている」と感じている。都心へのアクセスの良さも気に入っているポイントだ。「この間、国立劇場に文楽を見に行ったんですけど、気軽に都会の文化に接することができるのもいいですね」と矢上さん。

現在は、入居してから始めたというブログ(インターネット上に公開している日記のようなもの)の〝ネタ探し〟など日々充実した生活を送っているという。

新たな人付き合い楽しむ

原 五郎さん
原 五郎さん

原五郎さん(81)は、3年前に妻に先立たれ、一人暮らしになったことがきっかけで転居を考えるようになったという。「私自身はあまり近所付き合いもありませんでしたので、孤独死になっても困るなと思い、一戸建ての自宅を処分して集合住宅を選びました」と原さんは話す。

「江古田の杜」に入居を決めたのは、妻の墓所が近かったこと。原さんは「ここからなら徒歩で墓参りに行けるのでいいなと思いました。あとはお部屋をみたり、周囲の状況をチェックしたりと、都合4回くらいこちらに伺って入居を決めました。部屋のベランダから富士山が見えるのでとても気に入っています」と話す。

入居後はカラオケの会や体操教室などのイベントに参加、他の入居者とも積極的に交流している。現在はコロナ禍のため、人が集う活動は制限されているものの、ウオーキングや買い物など体を動かす毎日を送っている。

総合商社で長年忙しく働いてきた原さん。〝会社人間〟(特に男性)に向けて、自身の 経験を踏まえ指摘する。「定年後は会社時代のコミュニティーがなくなって、新たな人間関係が始まります。私は人付き合いの基本としてとにかく『あいさつ』を心掛けています。初めて会った人には『今日は寒いですね』とかどんなことでもいいので声を掛けることが大切だと思います」

自室の一角をアトリエに

飯島光子さん
飯島光子さん

飯島光子さん(82)は、妹、弟とともにきょうだい3人で隣り合う2部屋を借りて入居している。中央区・月島育ちの飯島さんは、家業の鉄工所の経理担当事務員として長年勤め上げた。「江古田の杜」入居のきっかけは、3年に及ぶ母親の介護・みとりを経験し、自身の老後を考えるようになったためだ。

「ずっと一緒に暮らしてきた妹、弟との生活を続けたいという希望がありました。広告で見て気になっていた『江古田の杜』に問い合わせてみると、たまたま続きの2部屋が空きになっていて、きょうだいでの入居も可能だったんです」と飯島さん。自宅を処分した蓄えで入居を決め、現在は1部屋を飯島さんが使用し、もう1部屋に妹と弟が暮らしているという。

飯島さんの趣味は手芸。自室の一角をアトリエにしバッグやティッシュケース、ぬいぐるみなど、布の素材に合わせてさまざまな物を作るという。「毎日午前中は手芸の時間に充て、まるで職人のような生活を送っています(笑)。午後は運動と称して、妹と買い物に行くことが多いです。好きなことを自由にできるというのが私の活力源。これから住まい選びを検討される人は、ご自身がどういう生き方をしたいのか、しっかりと見つめた方がいいと思います」と飯島さんは話す。

(定年時代令和3年4月上旬号 掲載)

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